iOS/iPhone/iPad/watchOS/tvOS/MacOSX/Android プログラミング, Objective-C, Cocoa, Swiftなど
とても違和感を感じる用語がある。それは、『参照渡しだ』。
え!違うだろ?と感じていたが、いい機会なので、調べてみた。
引数と呼ばれるものにどんな種類があるのか、まずは列挙してみる。
関数に渡す値。
sum(1, 2);
関数が受け取った変数。
int sum(int a, int b)
{
return a + b;
}
値が渡される。
_ <h2>ポインタ渡し
渡す値がアドレスの値渡し。
Pascalでは,値渡し(call by value)と変数渡し(call by variable)が存在し、変数渡しは参照渡しに相当する。
そもそもは、変数渡しの実装方法に参照渡しがある。参照渡しは、変数に対する参照(アドレス情報)を渡す方法だ。
Inside Macintoshは、コードはPascalで記載されているが、それをC言語で利用する場合、varがついた変数渡しの引数は、C言語ではポインターと読み替えていた。
具体的には、Inside Macintoshで以下のようにPascalで説明されていたとする。
PROCEDURE GetPort(VAR port: GrafPtr);
これをC言語では、以下のように読み替える。
void GetPort (GrafPtr * port);
C言語の関数の引数は全て値渡し。K&Rでしっかりと説明されている。
ポインタでアドレスの値を渡すのを参照渡しと呼ぶのは間違いだ。
Javaも全て値渡し。
ポインタ演算ができない、アドレス(参照)の値渡しが利用できるが、これを参照渡しと呼ぶのは、如何なものか。
値渡しに加え、本物の参照渡しが存在する。
void time_two(int& a)
{
a *= 2;
}
また、C++11では右辺値参照・ムーブセマンティクスという所有者の移動が用意されている。
二つの参照渡しの方法が用意されている。
int initializeInMethod = 0; // 初期化が必須
OutArgExample(initializeInMethod);
Console.WriteLine(initializeInMethod);
void OutArgExample(ref int number)
{
number = 44;
}
int initializeInMethod;
OutArgExample(out initializeInMethod);
Console.WriteLine(initializeInMethod);
void OutArgExample(out int number)
{
number = 44; // 代入が必須
}
refは変数が渡されるので、初期化によって値が設定されていない変数はNGだ。
outは値を返すという意味から、初期化は必須でないか、関数内で値を必ず設定しないといけない。
値渡しだが、inoutキーワードをつけると値呼びの結果返し(call-by-value-result)となる。
C言語のポインターの場合と同様に、変数が参照型の場合、参照の値渡しにより値を変更できる。
class Demo {
public var num = 0;
}
func set999(a: Demo) {
a.num = 999;
}
let demo = Demo()
set999(demo)
値呼びの結果返しの例。
func set999(a: inout Int) {
a =999
}
var num = 0
set999(&num)