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Cocoa練習帳

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2019-07-13 [cocos2d-x][OpenGL ES]画面キャプチャ

cocos2d-x v2には、画面キャプチャの機能が用意されていないので、実装した。

ただし、内容には満足していない部分があって、例えば、使用しているOpenGL ESのAPIは呼び出しコストが高いという情報があるのと、フレームバッファの解像度が高ければ高いほどメモリを使用するので、機会があれば改善したい。

/*!
 @brief Screenshotクラス
 */
class MyGrab {
public:
    /*! @brief デストラクタ */
    virtual ~MyGrab();
 
    /*!
     @brief Singletonなインスタンスを返す。マルチスレッドを考えるの、この実装では不受分なのは認識している。
     @result BQGrabのインスタンス
     */
    static MyGrab* getInstance();
 
    /*!
     @brief Screenshot
     @result 画像
     */
    cocos2d::CCImage* grab();
 
private:
    /*!
     @brief コンストラクタ
     @discussion Singletonとする為、コンストラクタは非公開メンバ関数とする。
     */
    MyGrab();
 
    /*!
     @brief 初期化。
     @retval true 成功
     @retval false 失敗
     */
    bool initialize();
};
 
MyGrab::MyGrab()
{
    /* 初期化 */
    initialize();
}
 
MyGrab::~MyGrab()
{
}
 
MyGrab* MyGrab::getInstance()
{
    static MyGrab grab;
    return &grab;
}
 
bool MyGrab::initialize()
{
    return true;
}
 
CCImage* MyGrab::grab()
{
    /* EGLビューのフレーム・サイズを取得する */
    const unsigned int width = (unsigned int)CCDirector::sharedDirector()->getOpenGLView()->getFrameSize().width;
    const unsigned int height = (unsigned int)CCDirector::sharedDirector()->getOpenGLView()->getFrameSize().height;
 
    const unsigned int bytesPerPixel = 4; /* RGBA */
    GLubyte* dataBuffer = NULL;
    dataBuffer = (GLubyte*)malloc(width * height * bytesPerPixel);
 
    glReadPixels(0, 0, width, height, GL_RGBA, GL_UNSIGNED_BYTE, dataBuffer);
 
    GLubyte *imageBuffer = NULL;
    imageBuffer = (GLubyte*)malloc(width * height * bytesPerPixel);
    for (int i = 0; i < height; ++i) {
        memcpy(&imageBuffer[i * width * 4], &dataBuffer[(height - i - 1) * width * 4], width * 4);
    }
 
    CCImage* image = new CCImage();
    image->initWithImageData(imageBuffer, width * height * bytesPerPixel, CCImage::kFmtRawData, width, height, 8);
    free(dataBuffer);
    free(imageBuffer);
    image->autorelease();
    return image;
}

glReadPixels()はフレームバッファの内容をピクセルデータとして読み取るコマンドだ。

void glReadPixels(GLint x, GLint y, GLsizei width, GLsizei height, GLenum format, GLenum type, GLvoid *data);

フレームバッファからウィンドウ座標xとyを左下隅としてwidth × heightのピクセル矩形を読み込み、dataで指定されたアドレスに格納する。formatパラメータは、そのピクセルが何を表しているかをOpenGLに伝える。typeパラメータは、ピクセルのデータ型を示す。


2019-07-14 [cocos2d-x]OpenGL ESからMetalへの移行

iOSもAndroidも、OpenGL ESから次の新しい描画エンジンへの移行を進めている。

Androidについては、GoogleがVulkan上にOpenGL ESを実装して、OpenGL ESの提供は続くようなので安心なのだが、iOSについては、AppleがOpenGL ESを非推奨となっているので、今後、利用できなくなっても不思議ではない。

そこで、cocos2d-xを利用している場合が対応方法を調べてみた。

_ MoltenGL

macOSとiOSでVulkanのAPIを提供するMoltenVKを提供したMoltenの製品で、Metal上にOpenGLとOpenGL ESのAPIを提供している。

MoltenVKは、Khronos Groupと共同でオープンソースとなっていて、cocosのフォーラムでも協力者がいればMoltenGLのオープンソース化も検討していそうだ。

ただ、MoltenGLで、問題なく、OpenGL ESを利用しているアプリケーションがMetal対応になるかは、やってみないとわからないと思う。

_ cocos2d-x metal-supportブランチ

cocs2d-x v3.17から派生したmetal-supportブランチで、Metal対応が進んでいる。

GitHubのIssuesでのやり取りも活発なので、metal-supportブランチが安定して成長するよう、一緒に貢献していくというのもありだと思う。


2019-07-15 [cocoa][swift]【研究】スパゲッティ・コード誕生の理由(わけ)

自分はスパゲティ・プログラムには二種類あって、一つは未熟だから、もう一つは経験も技術もあるのに、と考えている。そして、問題は後者の方で、考えに考え抜いたスパゲティ、理由を聞いても皆が納得するないようで、本人も信念を持って取り組んだ結果だから、それを何とかするのが非常に困難だと考えている。

今回、別件でワインバーグ氏について調べていたら、スパゲティ・プログラムの原因を見つけるヒントが目に留まったので、それと、発見した原因を発表する。

_ よく適応すれbするほど、適応力を失いがちだ。

『コンサルタントの秘密 - 技術アドバイスの人間学 -』で紹介されていて、生物学の分野でロナルド・フィッシャー卿の「フィッシャーの基本定理」と呼ばれるもので、自然淘汰に関する基本定理だ。

ワインバーグ氏の著書では、プログラミングに関して取り上げた定理でないが、この意味を考えてみた閃いた。

経験のある、プロジェクトでも声がでかい人間が生み出すスパゲッティ・プログラム。それは、今、この瞬間に最適なもので、そのため、将来の変化に対応できず、それが、のちの人を苦しめている。

具体的な例を挙げてみよう。

例えば、三つのテーブル・ビューがあるスマートフォン・アプリケーション。一つは新規リスト、もう一つは、編集リスト、最後は削除リスト。リストを管理して、表示するという部分のコードは共通化できる。ベースクラスを導入しよう、と、スパゲティ・プログラム料理人は考える。

class BaseTableViewController {
    func sortList() {
        ....
    }
}

よし、うまくいった。これがリファクタリングだ!俺ってすごい。

ここで悲しい依頼が。新規リストは、条件によって並び替えのルールを変えて欲しい。ああ、どうしよう。そうだ、前処理関数を導入すればいい!

class BaseTableViewController {
    func prepare() {
        ...
    }
    
    func sortList() {
        prepare()
        ...
    }
}
 
class NewTableViewController {
    override func prepare() {
        ...
    }
}

新規リストのクラスで、前処理関数をオーバーライドして、挙動を変えればいい!

こうして、また新たなスパゲティ・プログラムが生み出される!

基本クラスのコードを読んでも、新キリストのコードを読んでも、どんな動きをするのか読み取れない。

では、どうやって、スパゲティ・プルグラムの調理が行われているのを見つけるのか?

長年の研究によって、自分が見つけたのは、以下だ。

  • これはリファクタリングした方がいいな。やろう!
    今この瞬間の共有に適応した、将来の適応力がないコードを生産する掛け声だ!
  • このコードは安全でないので修正する!
    これからプログラミングされる部分は安全であるように心がけることには意義がないが、既に生産されたコード。そして、それが今後も手を加える可能性が低い箇所だとしてら、そいつが単に気に食わないから修正するということの言い訳だ。そんな奴に贈るワインバーグ氏の言葉はこれだ。『壊れていないものを直すな。』

2019-07-20 [cocoa][swift]NSUndoManager

NSUndoManagerの利用は、Swiftで楽になったと思うが、その仕組みが見えにくくなったと思うので、Objective-Cの場合から説明する。

CocoaのUndoとRedoは、NSInvocationというクラスでNSObjectの子クラスとメソッドを保持し、それをNSUndoManager内のスタックで管理することで実現している。

なんらかの操作を行うと、Undoに必要なNSInvocationのインスタンスがUndoスタックに積まれていく。

undo stack

ユーザがUndoを行うと、Redoに必要なNSInvocationのインスタンスがRedoスタックに積まれていく。

redo stack

Objective-Cのコードで、以下のようになる。

- (void)makeItHotter
{
    temperature = temperature + 10;
    [[undoManager prepareWithInvocationTarget:self] makeItColder];
}
 
- (void)makeItColder
{
    temperature = temperature - 10;
    [[undoManager prepareWithInvocationTarget:self] makeItHotter];
}

makeItHotterで温度を10度上げて、makeItColderをNSUndoManagerに積む。

makeItColderでは、温度を10度下げて、makeItHotterをNSUndoManagerに積む。

これをSwiftを書く場合、積むメソッドのselectorを用意するのが面倒になるのだが、selectorを必要としないメソッドが用意されていた。以下のようになる。

func makeItHotter() {
    var temperature = self.textField.intValue
    temperature = temperature + 10
    self.undoManager?.registerUndo(withTarget: self, handler: {
        vc in
        vc.makeItColder()
    })
    self.textField.intValue = temperature
}
 
func makeItColder() {
    var temperature = self.textField.intValue
    temperature = temperature - 10
    self.undoManager?.registerUndo(withTarget: self, handler: {
        vc in
        vc.makeItHotter()
    })
    self.textField.intValue = temperature
}

_ ソースコード

GitHubからどうぞ。
https://github.com/murakami/workbook/tree/master/mac/Temperature - GitHub

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